霊峰・富士山。
静岡・山梨両県にまたがる円錐状成層火山。日本の最高峰。海抜3776メートル。
1707年(宝永4)の噴火で中腹に宝永山ができ、以後活動を休止。火口直径は約800メートルあり、裾野を長く引いた姿は美しく、古くから信仰登山が盛んで、最古の歌集や、浮世絵などでも描かれる芸術の源泉。
そんな「景観」「信仰」「芸術」に特別な価値を持つ富士山が、世界にも評価され、2013年6月、世界文化遺産に登録されました。
だから、富士山は、山でありながら「自然遺産」ではなく「文化遺産」になりました。
浮世絵といえば、で知られている、あの葛飾北斎 富嶽三十六景『神奈川沖浪裏』にも、雄大な富士山が描かれている通り、昔から富士山は、日本人にとって特別な山でした。
ここで重要なのは、富士山は世界「文化」遺産に指定されたという事です。世界「自然」遺産ではなく、です。
素晴らしい景色に変わりはありませんが、芸術的刺激の源であるという点が、ユネスコに評価されたのです。
ちなみに、この北斎の図は、この神奈川の本牧沖からの図だそうです。
そう、北斎が描いたように、神奈川から見る富士山は本当に綺麗で、自分も大好きなのです。
そんな『神奈川』からの、素晴らしい富士山を見て育った私は、やっぱり思うんです。
あの富士山の頂上に行きたい!って。
文化遺産だかなんだか知りませんが、富士山は日本人にとっては、自然の『山』であって、芸術的に『見る』『描く』ものではないのです。
標高でも日本一を誇る富士山。日本人なら誰もが知る山。
「そんな富士山に登りたい!」と思う人は少なくないと思います。
過去にチャレンジした際は、6歳離れている弟が高山病にかかり、8合目で下山。
あれから20年くらいたったのかな?
そして、この正華(好)に就職してから、新年会や祝賀会などの席で「富士山に登ろう」と話すようになって10年目の今年、ついに、幼い頃から夢見てた、富士山の頂に立ったわけです。
(頂上手前にある、鳥居にて、一礼をしている私です)
今回、富士登山を経験して、色々と思うことがありました。
自分の、日々の生活を見直すきっかけにもなりました。
「世界文化遺産」の富士山。
実に年間登山者が約2ヶ月で24万人もの方が登る山ですが、、その裏では・・
「富士山は登る山じゃない 眺める山だ」という言葉があるほどの山です。
実際、自分はどう感じたのか、眺めるだけにしたほうが良かったのか・・・・
色んな事を感じながら登った富士山をまとめてみました。
えー富士山に向かったのは、7月10日(火)。
午前中、目一杯仕事をして、本社の社員6名と、横浜の正華本社工場を出発したのが昼の12時。
保土ヶ谷バイパス→東名高速(御殿場インター)→富士五湖道路→富士スバルラインを経由して14時半に富士山の五合目到着しました。
実は、この7月10日の17:00より、富士山のマイカー規制がスタートするタイミングでした。
富士マイカー規制
2018年のマイカー規制は7/10(火)~9/10(月)までです。初日の開始時刻と終了日の時刻は道路ごとに異なります。
富士山は夏の間マイカー規制がされていて、各5合目駐車場までマイカーで行くことができません。マイカー規制の期間中はふもとの指定駐車場に停めて、シャトルバスやタクシーに乗り換えて5合目まで行くことになります。
富士スバルライン(吉田口へ向かう道路)
規制区間:富士北麓駐車場ー富士スバルライン5合目
ふじあざみライン(須走口へ向かう道路)
規制区間:須走多目的広場ー須走口5合目
富士山スカイライン(富士宮口へ向かう道路)
規制区間:水ヶ塚駐車場ー富士山スカイライン5合目
※御殿場ルートの登山口へはマイカー規制がされないため、登山口までマイカーで行けます。
→【詳しくは】富士登山オフィシャルサイト
事前に電話で確認しましたが、(富士スバルライン、マイカー規制・山梨県道路公社富士山有料道路管理事務所 電話:0555-72-1311) 16時までにスバルラインに入ればOKとのことなので、シャトルバス(料金 大人1人(往復):1860円 ・子供1人(往復):930円)を払うことなく、5合目まで行けることができました。
しかし、マイカー規制の最終日ということもあってか、5合目はものすごい人。
スバルラインの通行料 車1台 往復2,060円だけで、気軽に富士5合目に来れる。
その期間が約2ヶ月規制されるのだから当然ですが、本当に人と車で溢れかえっていました。
※混雑の為、本来の5合目までは車で行けず、約25ほど歩く距離の所に車を停車する羽目になりました。
(この車を停めた場所が、最後の最後に苦しめられました。)
予定外すぎる程、(5合目の)手前で車を停める事になり、その場で慌てて登山準備です。
登山靴を履き、登山バックを背負って、まずは、スタート地点である富士山5合目に向けて歩きます。
慣れない登山靴で、アスファルトの坂道を30分登って、『吉田ルート』のスタート点がある、富士山五合目到着。
ここもすごい人です。
しかし、その8割は観光客で、登山者ではありません。
しかも、日本人の方じゃなく外国の方であふれかえっていました。
その団体さんのバスで、5合目の駐車場はいっぱいになっていました。
5合目の売店などに来る観光客さんと、登山者を一緒にしないでほしいな・・と、本気で思っちゃいました(笑)
だって本来、登山の拠点でもあるこの場所ですから、登山者を優先的に駐車場に入れてくれれば嬉しんですけどね(汗)
この5合目で、1時間ほど高度順応をしました。
ランチで食べたラーメン(1300円)
おいしいラーメンを期待してはいませんが、1000円以上でコレとは・・
みなさん、カレーとかをおすすめします(笑)
5合目での高度順応ですが、自分の知り合いは、この5合目でも軽い高山病の症状が出て、病院に行ったと話していました。
そう、ここはもう富士山の5合目です。
5合目といっても標高は、すでに2305メートルです。高山病の兆候が出てきやすい標高は、人によってまちまちですが、一般的には2,000mくらい、高齢者の方は1,500mくらいからでもその兆候は表れるそうです。
五合目の時点ですでに2,305mの標高がある富士山では、場合によっては五合目でも高山病の兆候が表れます。
きっと、車で一気に上がって来たのが原因で、高度に弱い人は、この5合目でも苦しんだろうな・・。
そんな事を考えながら、これから、もっと高くなる標高に備え、ゆっくりゆっくり5合目を散歩し順応していきます。
あっ、ちなみに、富士山5合目での飲み物は、殆どが200円(お茶・水)缶コーヒーなんかは150円でした。
(登り始めると、もう水は1本500円なので、水分はここで調達したほうがいいです)
また、トイレですが、お土産屋さんが入る建物内は、使用料として100円取られますが、外の大型公衆トイレは、使用料はかかりませんでした。
15:30分、いよいよ『吉田ルート』での登山がスタートです。
吉田ルート入口の看板は、中国の団体さんが次々に写真をとっていて、うまく撮れませんでした(泣)
6合目までは、馬で行けたり、観光客の人も登山道をサンダルで観光したりしています。
まだまだ『観光』とよべる登山道を歩いていくんですが・・
その中で1つ気になることがありました。
それは、『下山してきた登山者さん』です。
この道は、吉田ルートの登山道でもあり、下山道でもあります。
そのため、富士登山をしてきた登山者さんとすれ違うんです。
プルプル と、膝をかばいながら歩く方や、嬉し泣き?辛さ泣き?している方、あからさまに大ダメージを追っている方、『もう二度と行かないぞー』と話している登山者も(笑)
『頑張って下さーい』
『気をつけて!』
と、すれ違いざま声を掛けてくださるんですが、みなさん、その表情にはうっすら笑みが・・・・(汗)
『長い道のりですよー』
『辛いのは下りですよー』
そんなお声を掛けてくださる方も、なぜかうっすら笑みが・・・
こ、こわいよー
富士登山は、『登りは3割・下りが7割』の体力配分が大事だと言われています。
富士山登山は頂上にむけて登るよりも、頂上から降りる事を考えなくてはいけない。そんな誰かの言葉を思い出しました。
これから、どんな道のりが待っているんだろう・・・
そんな事を考えながら、『観光客』がいなくなる泉ケ滝の分岐点に立ちました。
ここまで来たら、つべこべ考えても仕方がない!
1歩1歩、足を前に出すだけさ!!
さぁー富士山に登るか
登山開始2時間後すぐに、足がつる羽目になるとは・・・・この時はまだ知れず・・・
【完結編へ】つづく
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